Japanese
English
特集 足の構造と機能
足アーチの障害
Flat Foot.
島津 晃
1
,
浅田 莞爾
1
Akira Shimazu
1
,
Kanji Asada
1
1大阪市立大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka City University Medical School.
キーワード:
足アーチの形成
,
足アーチの破綻
Keyword:
足アーチの形成
,
足アーチの破綻
pp.807-813
発行日 1982年9月10日
Published Date 1982/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104812
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まえがき
足アーチの異常に低下した扁平足は,足アーチの形成不全,および,これに回内低下の加わった場合であり,一旦完成した足アーチが崩壊,低下することは少ない.正常足が後天的に種々な原因で崩壊,低下した場合は,当然関節の不整合などの解剖学的変化に見合って疼痛を起こす.これと同じように静力学的扁平足の疼痛をみては誤解を生む.足の進化は手に比し比較的後期に営まれたことは,過剰骨の多いことからも明らかである.それだけに,足の形態の変異の幅は広く,多少のアーチの低下は病的といえず,疼痛をきたすことは少ない.長期かつ過酷な立業などの外的因子の関与が大きく,たとえ正常足でも疼痛を起こし得るし(無扁平足性扁平足痛),逆に足アーチは低くとも何ら障害のない場合(無症候性扁平足)もある.後者は生体力学的にみて不利であり,有痛性となり,環境順応がなければ悪循環を作って増悪する.
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