--------------------
編集後記
千野 直一
pp.309
発行日 1982年2月10日
Published Date 1982/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104710
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
今月号の“特集”は「動作分析」と題して医用工学者,それも日頃リハビリ医学関係の分野でお仕事をされている方々を中心に執筆いただきました.山崎氏は動作分析の方法論を過去から現在にいたるまで総括的にわかりやすくまとめて下さった.岡田氏は上肢の機能分析に関する工学的アプローチについて触圧試験器などの新兵器を紹介して下さったが,動作分析といえば歴史的に歩行を中心とする下肢の動きが重点的におこなわれていた感もあり,上肢の分析という新しい分野での将来性を示唆しておられる.
土屋氏はリハビリ医用工学の先駆者として歩行分析法などの研究で“医”と“工”がどのように協力体制をつくらなければならないか,また,そのなかで“医”サイドのおちいりやすい盲点など具体的な例をあげて解説して下さった.小生も小さい床反力計を用いて歩行ステップを分析することに対して疑問をもっていたが,この論文によってそれらの問題点がうきぼりにされ,医と工のより一層の連携の必要性が痛感された.小田他は今はやりのマイコンを用いて臨床的に簡便応用可能な歩行分析装置を紹介し,また,田中氏他は長年にわたって研究してこられた車椅子の動作分析を論じて下さったが,これまで経験的につくられた車椅子に今後は科学的な検討が加えられていくと思われる.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.