講座
費用便益,費用効果分析と保健事業(その1)—生命の経済的価値の計算
大井 玄
1
,
甲斐 一郎
1
,
武長 脩行
1
Itaru OHI
1
,
Ichiro KAI
1
,
Nobuyuki TAKENAGA
1
1東京大学医学部衛生学教室
pp.735-743
発行日 1983年11月15日
Published Date 1983/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206784
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■はじめに
医療費は,現在,日本ではGNPの5%,アメリカでは10%を越えている.当然,保健事業のための費用を,如何に有効に使うかは大きな問題となりつつある.さて近年,費用便益分析(cost-benefit analysis),費用効果分析(cost-effectiveness analysis)と呼ばれる手法が,保健事業の評価に用いられるようになった.これらは,単位費用につき,保健事業の成果の大きさや,事業により見込まれる経済的利益がいくらかを計算するものである.したがって,同じ疾病のコントロールを目標とする複数の保健事業のうち,経済的に最善のものの選択に際して用いられ,限られた医療資源の有効利用をはかるものである.
歴史的な例をあげよう.
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