講座
費用便益,費用効果分析と保健事業(その2)—特に子宮がん,胃がん検診をめぐって
大井 玄
1
,
武長 脩行
1
,
甲斐 一郎
1
Gen OHI
1
,
Nobuyuki TAKENAGA
1
,
Ichiro KAI
1
1東京大学医学部衛生学教室
pp.53-62
発行日 1984年1月15日
Published Date 1984/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206811
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Ⅲ.子宮がん検診の費用便益分析
■はじめに
Ⅰで費用便益分析の考え方について触れ,次にⅡでは生命の価値の経済的評価を行った.Ⅲ・Ⅳでは現在行われているがん集団検診のうち子宮がん検診と胃がん検診を例にとって具体的に費用便益分析を行ってみよう.(Ⅲでは子宮がんの集団検診,Ⅳでは胃がんの集団検診)
わが国のがんによる死亡は全死因の23%(昭和56年)を占め,それまで1位だった脳血管疾患を抜いて昭和56年にはトップにおどり出た.このがんの死亡率を下げるためには早期発見による予防が第1に必要な対策である.その代表的な方法が集団検診である.
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