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編集後記
上田 敏
pp.80
発行日 1981年1月10日
Published Date 1981/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104481
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1981年の新年おめでとうございます.野村氏の巻頭言にもあるように今年は国際障害者年(IYDP)です.昨年12月8―9日にはIYDP日本推進協議会主催の「プレ国民会議」が,ほとんどあらゆる種類の障害者・関係団体を集めてひらかれ,大きな成果をあげました.今年は障害者の問題と共にリハビリテーションにも理解と関心の高まることが期待されます.
さて本号はリハビリテーション医学のもっとも根本的な問題である「機能回復のメカニズム」の特集です.機能回復は末梢神経・筋・骨組織などにも関係がありますが,今回は中枢神経系障害にしぼりました.別府氏は,発芽現象を中心とした機能代償の形態学について,最近の研究の概観をして下さいました.藤戸氏他は,生理学の面から,シナプス結合の可塑性を豊冨な実験データをもとに総括していただぎ,川村氏他は運動学習の神経機構についてオペラント条件づけを中心にユニークな研究のまとめを書いて下さいました.小谷津氏の学習について考えるは,上記の3論文とはやや異なった心理学の角度からのアプローチで興味があります.学問的な香りの高いこれらの論文をゆっくりお味わい下さい.
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