Japanese
English
特集 四肢の先天異常とリハビリテーション
四肢奇形の臨床
Clinical Aspects of Congenital Malformations of the Limbs.
杉浦 保夫
1
Yasuo Sugiura
1
1名古屋大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Nagoya University School of Medicine.
キーワード:
奇形
,
奇形症候群
,
四肢
,
分類
Keyword:
奇形
,
奇形症候群
,
四肢
,
分類
pp.629-638
発行日 1978年9月10日
Published Date 1978/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104034
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
四肢の奇形malformations of the limbsには,多指(趾)症,合指(趾)症,寡指(趾)症,裂手・裂足症,3指節母指症など異常anomaly,abnormalityが指・趾に限局したものから(先天性)絞扼輪症候群(もちろん指・趾に限局したものの方がはるかに多いが)(図9),各種の橈骨欠損症(637頁参照),内反手radial clubhand,先天性切断症のようにさらに近位にまで異常の及ぶもの,近位橈尺骨癒合症(図4),あざらし肢症phocomelia(図2),先天性大腿骨短縮症のように,むしろ上・下肢の中枢側により高度の変化の認められるものまできわめて多種であり,その異常の程度も個々の症例により病像も著しく多彩である.また四肢奇形の他に他器官にも異常の合併した奇形症候群malformation syndromesもきわめて多数存在する.
四肢奇形の成立機序など基礎的なことはすでに他誌1)に詳述したので,この論文では臨床的見地より,四肢奇形の分類,病因,疫学,主な四肢奇形,四肢奇形の治療原則について論述してみたい.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.