Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「男はつらいよ」(第1作)―寅さんを発達障害者として捕捉する出発点
二通 諭
1
1札幌学院大学人文学部人間科学科
pp.1365
発行日 2012年10月10日
Published Date 2012/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103714
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「あなたはADHD系」,「彼はアスペ系」といったように,友人同士の他愛もない性質分類にも発達障害カテゴリーが用いられるようになってきた.そのような視座から,往年の映画の登場人物をみるならどのような解釈が成り立つだろうか.発達障害を有する人物は,映画の主人公になりやすい特異なキャラクターを有しているが,その頂点に立つ人物といえば,やはり「男はつらいよ」シリーズの寅さんこと車寅次郎(渥美清)である.
本人が語る自己像も「生まれついてのバカ」なら,おいちゃんの寅さん像も「生まれつきのバカ」であり,幼少期から発達や行動上の問題を有していたものと思われる.
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