巻頭言
つながる時代
永田 智子
1
1島根県立中央病院リハビリテーション科
pp.1275
発行日 2012年10月10日
Published Date 2012/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103692
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3.11東日本大震災を機に,われわれ日本人は人とのつながり,絆を実感した.絆とは,広辞苑によれば“断つにしのびない恩愛”のことである.つながりとは,つながることそのもの,あるいは絆,の意味をもつ.絆の文字は“絆創膏”にも用いられる.なお,親子,夫婦や友人のつながりは,縁(えん,えにし)という.
今われわれは,携帯電話やインターネット,メール,SNS(social networking service)などで何時でも何処でも世界中と瞬時につながることができる.地方と都会との間では情報格差への無力感は減ってきた.書籍や文献の到着を数週単位で待った学生時代を思うと,情報のスピードと量,利便性向上に,これは夢かと思うことさえある.一方,情報氾濫への平衡感覚には注意を払いたいし,取捨選択も迫られる.人は容易に手に入れることができるものを,大切にすることはできない.
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