Japanese
English
特集 リハビリテーション関連職種の教育
言語治療士の教育
Education for Speech Pathologists.
笹沼 澄子
1
Sumiko Sasanuma
1
1東京都老人総合研究所言語聴覚研究室
1Tokyo Metropolian Institute of Gerontology.
キーワード:
言語治療士
,
専門教育
Keyword:
言語治療士
,
専門教育
pp.895-900
発行日 1976年11月10日
Published Date 1976/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103661
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はじめに
言語治療士,スピーチセラピスト,STなどと呼ばれる人によって代表される職種が,医学,教育,福祉関係の諸領域で,近年次第に広く認識され,定着し始めているかにみえる,しかし一方では,この職種の専門性を裏づける教育制度すらいまだに確立されておらず,身分制度も定まっていないという矛盾にみちた現実がある.無論,この矛盾をいちばん敏感に感じとってきたのは障害者サイドに立つ言語治療士自身であり,この不条理を何とか是正しようとする努力が,いろいろな形で過去10数年にわたって続けられてきた.この間,数々の問題点が,多くの関係者によって指摘され,その改善の必要性がくり返し説かれてきた.そして最近では,僅かながら事態の進展を反映するいくつかの動きも出はじめている.
ここでは,このような現実を踏まえて,まず,①この職種の活動の中心課題である言語障害というものの特徴を明らかにし,②そうした障害を背負う障害者のニードに対応するための新しい専門職の必要性とその教育の“あるべき姿”の輪郭を述べ,次いで,③そうしたあるべき姿と大きくかけ離れた現状を整理し,2,3の問題点に触れることにする.
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