--------------------
編集後記
土屋 弘吉
pp.247
発行日 1976年3月10日
Published Date 1976/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103512
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
立春を過ぎたというのに余寒は相変らず厳しい.それにもまして厳しいのはわが国経済の落ち込みである.福祉見直し論が大きな活字で報道されている.その意とするところはわからないことはないが,この言葉が表面だけの意味で受取られ,福祉の後退に油を注いでいる現実も見逃すわけにはいかない.不況のさ中にあっては,福祉見直し論は福祉切棄て論の口実となっているようだ.
今回は特集として義肢・装具の問題をとり上げた.わが国における義肢・装具は,トップクラスを比較すれば欧米に比して何ら遜色はないが,平均的水準については著しく立遅れているのが実状である,どのような点が遅れているのか,問題点はどこにあるのか,今後の対策はどうあるべきか,などをクローズアップさせたいというのがこの特集のねらいであった.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.