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編集後記
土屋 弘吉
pp.348
発行日 1974年4月10日
Published Date 1974/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103133
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今年の冬は例年になく寒気が酷しかったが,もうすでに梅の便りが聞こえている.今からまっしぐらに春がやって来る.その実感を庭の片すみからも空気の肌ざわりからも感じ取ることはたのしい.
今回の本誌は特集テーマとして装具をとりあげた.装具はその重要さや広い用途にもかかわらず,十分な研究的裏付けに乏しく,ことにわが国の装具は種々の面で立ち遅れが指摘されており,どちらかといえば日の当らぬ場所に置かれてきた感がある.この意味で,大川嗣雄氏,渡辺英夫氏,村田秀雄氏が新しい観点に立った装具の考え方を紹介し,ことにbiomechanicalな研究による旧来の装具の再検討,高分子化学材料による装具の新しい動向について述べられているのは興味深い.座談会でも装具の実際的な問題が種々の角度からとりあげられており,日常関心を持たれる方々のよい参考となるであろう.
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