Japanese
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特集 四肢麻痺のリハビリテーション
四肢麻痺の理学療法
Physical Therapy for The Quadriplegia.
橋元 隆
1
Takashi Hashimoto
1
1九州リハビリテーション大学校理学療法学科
1Physical Therapy Division, Kyushu College of Rehabilitation.
キーワード:
体位変換
,
呼吸・排痰訓練
,
褥創
,
マット訓練
,
介助
Keyword:
体位変換
,
呼吸・排痰訓練
,
褥創
,
マット訓練
,
介助
pp.563-569
発行日 1974年8月10日
Published Date 1974/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103177
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はじめに
頸髄損傷(以下頸損という)による四肢麻痺患者は労働,交通,あるいはスポーツ事故など,広範囲な原因と,近代医学の進歩に伴なう救命率の上昇から急激な増加をしめしている.上肢や呼吸の障害を伴い,一髄節にその症状や機能的予後も異なり,彼らのほとんどが3年,5年,あるいは10年と長期にわたり,療養所と誤解される様な病院内での生活をしいられ,マンネリ化した治療プログラムを消化するため,いわゆるリハビリテーションのためのリハビリテーション(訓練のための訓練)に甘んじているのが現状である,これらの原因を単に社会的な問題として云々する以前に,医学的リハビリテーション分野に携わる者にとっても,一考しなければならない問題である.特に,医学的リハビリテーションでの先ずその第一歩を踏み出す役割を果す理学療法は,彼らの第二の人生を決定するポイントとなる.
1972年から1973年にわたり1年余り,“脊損の里”あるいは“車椅子スポーツのメッカ”と言われる,英国のストーク・マンデビル病院(図1),脊髄損傷センター(Director,Dr. J.J. Walsh)の理学療法科(Superintendent,Miss A.1. Bromley,M.C.S.P. )で研修する機会に恵れた.筆者なりにそこで,見,感じ,学んだことを参考に,頸損による四肢麻痺患者の理学療法,特にプログラムを中心に述べる.
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