一頁講座
身障者の住める街づくり(3)
佐藤 平
1
1日本大学工学部
キーワード:
車いす
,
駐車場
,
玄関
,
エレベーター
Keyword:
車いす
,
駐車場
,
玄関
,
エレベーター
pp.843
発行日 1973年8月10日
Published Date 1973/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102998
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- 文献概要
最近,道路や横断歩道には段差をなくし,横断歩道橋はスロープに改めるという方針が出された.大変結構なことである.これも長い間の努力がようやく実った感じである.ところが身障者が住みよい街であるためには単に道路や横断歩道の段差がなくなり,歩道橋が改まっただけでは,決して住みよい町とはいえない.街全体がこのほかのものにも同時に力を入れてくれなければ,仏つくって魂入れずに等しい.買物をしたくても買物ができなければだめだし,便所がなければうっかり外にも出られない,ではこのほかのことにどんなものがあるのであろうか.いくつか例を上げて見よう.
まず駐車場が問題である.通常利用されている駐車場は,車のドアを完全に開けた場合のことを考慮していないものが多い,車いす使用者の場合は,車のドアを完全に開けて,車いすに乗り移るため,余裕のある広さをとっておく必要がある.駐車スペースと,歩行部分に段差のある場合には,車が完全に歩行部分に接して駐車できるか,駐車スペースと歩道部分の段差をなくし,ある程度余裕のある広さとすることが大切である.なお駐車した車の前後左右にも移動可能な余裕を必要とする.
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