ひと
第10回日本リハビリテーション医学会長をつとめられる東北大学鳴子分院院長 杉山 尚(すぎやま・たかし)先生
萱場 倫夫
1
1東北大学鳴子分院
pp.482
発行日 1973年4月10日
Published Date 1973/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102921
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先生は宮城県亘理町の出身,昭和14年東北大学医学部を卒業,19年に鳴子分院に赴任されるまで,主に消化器病学の研究を医学部黒川内科で行われた.鳴子分院に赴任されてからは温泉医学の基礎を追求され,生体への作用機転から湯あたりの本態を解明された.そして温泉に関係の深いリウマチ,さらにリハビリテーション医学へと研究を拡大され,当時まだ手をつけられていない分野の開拓者の道を一筋に歩まれた.このことはさきに日本温泉気候物理医学会,日本リウマチ学会長を歴任され,今年5月仙台市で開催される第10回リハビリテーション医学会を主催されることでも分かる.これらの業績に対し本年1月東北地方において最も権威ある河北文化賞を受賞されたわけだが,その受賞のよろこびとして「私は皆がやらない陽はあたらないが,将来の医学が必要とする分野に手をつけ,開拓者としての役割を果した.その先駆的内容が評されたのでしょうか」と淡々と話された.東北人特有な地味な性格ではあるが,芯の強さをもつ先生である.
趣味は鳴子という土地柄か,こけしの収集,これは玄人の域に達しているという.スポーツはかつては名投子,名内野手だったといわれるが,今はピンチヒッターとして活躍する程度という.
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