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編集後記
川
pp.726
発行日 2011年7月10日
Published Date 2011/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102156
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「同じ車いすでもこの子は脊髄なんです」私が初めて“脊髄損傷”という言葉を知ったのはこの台詞でした.山田太一のドラマ「男たちの旅路―車輪の一歩」の中の台詞です.車いすの仲間たちに励まされようやく表に出た車いすの少女が踏み切りで車輪をとられ,危機一髪健常者に助けられる.車いすの男性が6人もいたのに,結局少女を助けることはできなかった.その現実に打ちひしがれているなか,少女は皆の前で失禁してしまう.それを受けての少女の母親の台詞です.
繰り返し再放送されているこの名作ドラマをご存知の方も多いと思います.バリアフリーやノーマライゼーションという言葉が耳慣れなかった30年以上も前に放映されたドラマですが,障害者問題が深く,鋭く描かれています.障害者の雇用問題,住居問題,さらに性の問題…….伝説の“トルコ”シーンは涙なしでは見られません.他にも名シーン,名台詞の宝庫です.まだ見たことのない方,ぜひ一度ご覧ください.
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