Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム」―ラップという表現形式で困難と向き合う若者たち
二通 諭
1
1札幌学院大学人文学部人間科学科
pp.1095
発行日 2010年11月10日
Published Date 2010/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101900
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「若者支援」は現代のキーワードの一つである.経済的・精神的困難,自立困難,未来社会の担い手としての困難が顕在化しているからだ.若者たちに「昔は若者支援という言葉はなかったのだよ」と言ったとしても,傷口に塩をすりこむようなものだ.自尊心の低下著しい世代に,ネガティブな言葉を浴びせても意味はない.むしろ,良いところを指摘するべきだ.
「SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム」(監督/入江悠)は,ヒップホップと,その構成要素の一つであるラップを使った若者たちによる自己支援ムービーとして素晴らしい.真摯にもがいている若者たちの姿がそこにある.
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