Japanese
English
増大特集 リハビリテーション医学2007―最近10年の動向とエビデンス
リハビリテーション・アプローチ
集中治療室でのアプローチ
Rehabilitation in intensive care unit.
原 行弘
1
Yukihiro Hara
1
1日本医科大学千葉北総病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Nippon Medical School, Chiba Hokusoh Hospital
キーワード:
集中治療室
,
急性期
Keyword:
集中治療室
,
急性期
pp.1179-1184
発行日 2007年10月10日
Published Date 2007/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101083
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
リハビリテーション医療の分野では,近年加速度的に早期リハビリテーションが強調され,集中治療室(ICU)での急性期リハビリテーションも一般的になりつつある.しかし,理想論から程遠い現状も垣間見られる.これは,ICUに携わる医療者のリハビリテーションに対する意識の温度差だけでなく,われわれリハビリテーションに関わる医療者の介入の仕方が不十分である可能性も否めない.
脳卒中については,10年前に脳卒中ケアユニット(SCU)の提言が行われ,2004年の脳卒中ガイドラインの提唱,SCUに特化した診療報酬や組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)の導入がカンフル剤となったのか,SCUの普及が近年めざましく,SCUの早期リハビリテーションが一般的になりつつある.ただ,SCUの意義が認められてきたといっても,日本全国に普及してきたわけではなく,施設間格差もあるのは厳然たる事実である.SCUについて詳細は別項に譲るとして,ICUにはその他にも専門ケアユニットが認められ,脊髄損傷,虚血性心疾患,呼吸器疾患,腎疾患,熱傷と臓器別に認められるものから,小児のNICUまで多岐にわたる.
本稿では,できる限りそれらのICUを踏まえた最近10年間のリハビリテーション・アプローチについて鳥瞰してみたい.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.