Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「home」―カメラがひきこもりを「治療」する「手法」になった
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.885
発行日 2003年9月10日
Published Date 2003/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100894
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教師に威勢よく暴言を吐く一方,他者の言葉に傷つきやすく学校や教室になかなか入れない転校生に,正攻法でアプローチしてもなかなかうまくいかない.肝心なのは速攻でチャンネルを合わせること.たとえば,「ほら,これが二通先生が作った週日課表なんだが,明日は演劇鑑賞会,明後日は水泳学習,その次の日はシネコンで映画を観るんだよ.遊んでばかりだ.こんなの学校でないよな.こんな所来る気にならんよな」といった話から始めると溜息なんかつきながらも渋々付き合ってみるかという風向きになる.たしかに言葉や道具立てという「手法」によって相手の心の風向きを変えることができる.
ドキュメンタリー映画「home」(監督/小林貴裕)ではカメラが「手法」に転じる.
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