Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
パール・バックの『大地』―治療者としての梨花
高橋 正雄
1
1筑波大学心身障害学系
pp.908
発行日 2006年9月10日
Published Date 2006/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100384
- 有料閲覧
- 文献概要
1931年に発表されたパール・バックの『大地』〔新居格(訳)・中野好夫(補訳),新潮文庫〕の第2部には,梨花という女性が「白痴の娘」や「せむしの少年」をケアする場面がある.
梨花は,飢饉の年に飢え死にしかかっていたところを王龍に買われた女奴隷で,かねてより自分に優しくしてくれた王龍に恩義を感じていた彼女は,王龍が亡くなった後も彼の娘を引き取って世話をしていた.「この娘は王龍の長女で,もういい齢になっているのだが,いまだに白痴の子供も同然なのだ.」
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.