Japanese
English
特集 末梢神経障害のリハビリテーション
上肢の障害;絞扼性障害
Dysfunction of the upper extremity―entrapment neuropathy.
中田 眞由美
1
Mayumi Nakada
1
1埼玉県立大学保健医療福祉学部
1Saitama Prefectural University
キーワード:
絞扼性神経障害
,
手根管症候群
,
保存療法
,
神経
,
腱グライディング
Keyword:
絞扼性神経障害
,
手根管症候群
,
保存療法
,
神経
,
腱グライディング
pp.327-332
発行日 2006年4月10日
Published Date 2006/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100280
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はじめに
絞扼性神経障害(entrapment neuropathy)とは,末梢神経幹が関節近傍で,関節囊,靱帯または筋起始部の腱性構造物などにより形成された線維性または骨線維性のトンネルを通過する際に,この部に何らかの原因が加わり,関節運動などの機械的刺激により生じる限局性の神経障害である1,2).末梢神経幹の通過する場所のうち,関節近傍で,狭く移動性の少ない部位が障害を受けやすいが,それらをとくにentrapment pointと呼んでいる.
正中神経においては,肘関節周辺部で円回内筋症候群,前骨間神経麻痺(症候群),手関節周辺部では手根管症候群がある.尺骨神経においては,肘関節周辺部では肘部管症候群,手関節周辺部では尺骨管症候群(ギヨン管症候群)がある.橈骨神経では,肘関節周辺部では後骨間神経麻痺(症候群)(深枝),橈骨神経管症候群,手関節周辺部では橈骨神経浅枝の絞扼障害(cheiralgia paresthetica)がある1).
本稿では,絞扼性症候群のなかでも最も発生頻度が高く,リハビリテーションの対象としても重要な手根管症候群(carpal tunnel syndrome)の保存療法について述べる.
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