書評
—齋藤 佑樹,上江洲 聖(著)—「作業療法の曖昧さを引き受けるということ」
酒向 正春
1
1ねりま健育会病院
pp.481
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203430
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表紙を見て,すぐ読みたくなった.「作業療法の曖昧さを引き受けるということ」を漫画で理解させるのか,すごく楽しみである.しかし,タイトルからして,なんとなく複雑そうな予感もした.
作業療法とは,人々の健康と幸福を促進するために,作業に焦点を当てた治療,指導,援助と定義されるが,作業が何であるかがわかりにくい.私たちの臨床現場で作業療法と言えば,上肢戦略,生活戦略,精神・高次脳機能・復職戦略の3本柱の実践である.その実践には,患者との信頼関係の構築が前提となる.本書は,まさに患者との信頼関係の構築方法を丁寧に漫画と解説文で説明していた.まるで,ソーシャルワーカーの教育書ではないかと感じるほどに,患者の心と気持ちを大切にしていた.
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