書評
作業療法の曖昧さを引き受けるということ—齋藤 佑樹,上江洲 聖 著
小瀬古 伸幸
1
1訪問看護ステーションみのり
pp.1063
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048812810670071063
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私は精神科訪問看護に携わりながら,精神科ケアに関する執筆や研修講師としても活動しています。精神科という分野では,検査データの所見は限られており,目に見えない曖昧な事象を扱うことが求められます。執筆や講義をするとなると,それらを言葉にすることも必須となります。それらの力を身につけるには,「曖昧さを引き受ける」というスタンスが欠かせません。
ただし,曖昧さを引き受けるというのは容易なことではなく,時にはモヤモヤ感を覚えることもあります。次第にその曖昧さに向き合うこともつらくなり,広く,深く考えずに,単純化するという自己防衛が働くこともあります。つまり,曖昧さから逃げたくなる。私自身も,そのような経験が山ほどありました。そこで,そのような曖昧さと向き合う経験を漫画で表現し,解説を加えてまとめられたのが本書です。

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