Close-up 短下肢装具・下腿義足の現在の課題
理解しておこう 短下肢装具の現在の課題
中野 克己
1
Katsumi NAKANO
1
1日本保健医療大学保健医療学部理学療法学科
キーワード:
短下肢装具
,
デザイン性
,
医療関連機器圧迫創傷
,
情報共有
,
衛生管理
Keyword:
短下肢装具
,
デザイン性
,
医療関連機器圧迫創傷
,
情報共有
,
衛生管理
pp.450-454
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203421
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はじめに
装具は,四肢や体幹に機能障害を負った場合に,これらの軽減を目的として使用する補助器具である.特に下肢装具は,術後療法での安静・固定,骨折や足底潰瘍への免荷,痛みを伴う疾患への圧力分散,変形した足部の収納,立位歩行の部分的な代償や援助など多岐にわたっている1).
一方,(一社)日本支援工学理学療法学会(以下,支援工学学会)が,2017年に理学療法士に必要とされる装具に関する知識・能力の20項目についてアンケート調査した結果,すべての項目で半数以上の理学療法士が「大いに持つべき」と答え,ほぼ全員が「持つべき」と回答している.しかし,実際に「大いに持っている」と回答した者は3割未満であり,「持っている」と回答した者を合わせても半数にとどまっていた2).
本稿では,屋外での歩行がなんとか可能で,活動度レベルが低〜中程度の脳卒中片麻痺者のレベルを想定した場合の短下肢装具(ankle foot orthosis:AFO)が抱える現状と今後の課題について考察する.
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