連載 私のターニングポイント・第50回
知識と知恵
諏訪 かおり
1,2
1松屋アールアンドディ
2東京大学大学院教育学研究科身体教育学コース博士課程
pp.345
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203390
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誰かの一言や日々の出来事,震災やコロナ禍といった未曾有の出来事など,数々のターニングポイントが今の私を形成しています.今回は理学療法士として,次のキャリアへの転換となったポイントを図に記しました.なかでも私の意識を大きく変えたターニングポイントは,最初の職場の退職時に上司から「知恵より知識をつけろ」と指摘されたことです.何となくやって,うまくいっている私の感覚的な面を危惧されたのでしょう.自分の曖昧さと甘さを見透かされたようで,情けない気持ちになりました.
それ以降,基本や裏づけの検証を心がけてきました.出発点が感覚的な場合にはなぜ成功したのか,失敗したのかを振り返って精査するようにしています.その積み重ねで物事の解像度が上がり,結果の拠り所が少しずつ見えるようになってきました.仕事においても,研究においても,人生においても,常に根底にある言葉です.この言葉があったから大学院に進む決断ができました.その姿勢は今の企業勤めでも活きています.
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