連載 難しい症例のみかた・第4回
修正大血管転位症,重症心不全に対し植込み型補助人工心臓を装着した1症例—治療目標をどう設定するか?
天尾 理恵
1
Rie AMAO
1
1東京大学医学部附属病院リハビリテーション部
pp.1230-1233
発行日 2023年10月15日
Published Date 2023/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203221
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はじめに
先天性心疾患(congenital heart disease:CHD)患者の予後は,外科治療の成績向上に伴い飛躍的に改善しており,本邦でもすでに50万人以上が成年に達している1).個別性の高いCHD患者の治療・リハビリテーションには画一的な方法論が当てはまらないことが難しさの一つである.
移植が最終目標となる重症心不全患者の橋渡し治療として,補助人工心臓(ventricular assist device:VAD)治療が定着し,重症心不全を呈したCHD患者への装着が散見するようになった.本邦での経験は少なく,リハビリテーションの報告はほとんどない.今回,VAD装着に至ったCHD患者のリハビリテーションを経験した.心身のバランスを鑑みながら実施したリハビリテーションのポイントについて報告する.
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