Japanese
English
症例
修正大血管転位症の1例
A Case of Corrected Transposition of the Great Vessels.
榊原 宏
1
,
小河 博之
1
,
大沢 幹夫
1
,
林 健二
1
,
本渡 劦
1
,
堺 裕
2
,
五味 春人
2
,
飯田 良直
2
Hiroshi Sakakibara
1
,
Hiroyuki Ogo
1
,
Mikio Osawa
1
,
Kenji Hayashi
1
,
Tsutomu Hondo
1
,
Yutaka Sakai
2
,
Haruto Gomi
2
,
Yoshinao Iida
2
1岡山市榊原十全病院
2東京女子医科大学外科教室
1Sakakibara Juzen Hospital
2Dept. of Surgery, Tokyo Women's Medical College.
pp.251-259
発行日 1963年3月15日
Published Date 1963/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201194
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I.はじめに
修正大血管転位(Corrected Transposition of the Great Vessels)は1875年von Rokitansky1)によつて始めて記載された先天性心畸形である。
その解剖学的特徴として,大動脈は肺静脈血を受入れる心室の前方から出て肺動脈の左前方にあり,肺動脈は静脈血を受入れる心室の後方から出て大動脈の右後方にあり,大血管は並んで出て正常のごとく交叉しない。また通常心室,房室弁の左右転換を伴うことである2)3)。即ち大血管は解剖学的には転位の状態にありその前後関係は完全大血管転位のそれに似るが,修正大血管転位では大血管の前後関係の転位に加えて心房,心室の高さにおいて心軸にそい鏡像的転位がおこつているものである4)5)。そして大動脈は酸素化された血液を肺動脈は静脈血を受けて機能的に修正された状態にあるもので,「修正」とは外科的に修正されるという意味ではない2)3)5)(第1,2図)。
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