Close-up リウマチ今昔物語
関節リウマチの理学療法—変わったことと変わらないこと
島原 範芳
1
,
佐浦 隆一
2
Noriyoshi SHIMAHARA
1
,
Ryuichi SAURA
2
1道後温泉病院リウマチセンターリハビリテーション科
2大阪医科薬科大学医学部総合医療講座リハビリテーション医学教室
キーワード:
関節リウマチ
,
ライフステージ
,
アンメットメディカルニーズ
,
unmet medical needs
Keyword:
関節リウマチ
,
ライフステージ
,
アンメットメディカルニーズ
,
unmet medical needs
pp.325-328
発行日 2023年3月15日
Published Date 2023/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202980
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関節リウマチ診療のパラダイムシフトと理学療法を含むリハビリテーション医療の変化
関節リウマチ(rheumatoid arthritis)診療の治療目標は,1980〜1990年代の痛みの軽減から,2000年代のアンカードラッグであるメトトレキサート,生物学的製剤の導入による関節破壊の進行抑制を経て,臨床的・機能的・構造的寛解の達成となった1〜9).この大きな変化はパラダイムシフトと呼ばれ,理学療法を含むリハビリテーション医療にも大きな変化をもたらした.
20世紀の関節リウマチのリハビリテーション医療の目的は,「関節を守り」,「生活を護る」ことであった.「関節機能と日常生活能力の改善と維持」を目的に,関節保護の厳守や日常生活動作の指導といった患者教育と疾患活動性に合わせて運動の負荷量や頻度を調整した理学療法(運動療法)が主体となり,疾患活動性の増悪期には関節機能の維持と廃用予防を目的に,適切な安静や愛護的な運動療法が行われた.そして,寛解期には関節保護を考慮しながら,積極的な運動療法を実施して身体機能の改善・維持を図った.
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