連載 とびら
会話や言葉に注意しながら
尾谷 寛隆
1
1国立病院機構大阪刀根山医療センターリハビリテーション科
pp.5
発行日 2022年1月15日
Published Date 2022/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202537
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理学療法士となり,医療の現場,病院に勤務して30数年が経ちますが,患者さんの部屋をノックし入室する際は,今でも緊張します.まず挨拶をして,病状や現状を聞き,機能および能力評価を行いますが,このときには必ず,会話,言葉がつきものです.この自らが発する言葉には,今でも細心の注意を払っています.信頼関係を築き上げるのは,この最初の会話が大きく影響を及ぼすと感じているからです.
かくいう私も,学生時代やキャリアの浅い頃,スーパーバイザーや上司,先輩から数多くの指導を受けました.患者さんに対して,「うん,うん」と無意識に返答,相槌をしていて,バイザーから「『はい』でしょ」と訂正していただいたことがありました.上司からは「○○じゃないですか」,「○○になります」などを発した際に「今の言葉は不適切,日本語として意味が通じない」と指摘されました.先輩からは「今の語尾はちょっと強いから,もう少し柔らかく言ったほうがよいよ」と指導がありました.このようなバイザー,上司,先輩に恵まれた環境であったことに感謝しています.私なりに理解し,一つひとつ体得してきたつもりです.
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