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報告
脊柱後彎高齢者における腸腰筋トレーニングが脊柱後彎ならびに身体機能・能力に及ぼす効果
Effects of iliopsoas muscle training on the spinal kyphosis and physical functions and abilities in the kyphosis elderly
佐藤 佑樹
1
,
佐々木 誠
2
,
大沢 真志郎
3
Yuki SATO
1
,
Makoto SASAKI
2
,
Shinjiro OSAWA
3
1北上済生会病院リハビリテーション科
2秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻理学療法学講座
3藤原記念病院リハビリテーション科
キーワード:
脊柱後彎
,
腸腰筋トレーニング
,
身体機能
,
身体能力
Keyword:
脊柱後彎
,
腸腰筋トレーニング
,
身体機能
,
身体能力
pp.109-114
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202189
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要旨 【目的】脊柱後彎高齢者における腸腰筋トレーニングは脊柱後彎の改善に有効であるか,また,身体機能や脊柱アライメント,身体能力への影響を検討することである.【対象】20名の脊柱後彎高齢女性.【方法】身体機能として股関節屈曲筋力を測定した.脊柱アライメントはSpinal Mouse(IdiagAG社製)を使用し,全脊椎傾斜角,胸椎後彎角,腰椎前彎角,仙骨傾斜角を計測した.身体能力は,30秒椅子立ち上がりテスト,10m歩行試験,Timed Up and Go Testを評価した.トレーニングはセラバンドを使用した股関節屈曲運動を4週間実施した.【結果】トレーニングにより股関節屈曲筋力の増加が認められた.脊柱アライメントは4項目すべてにおいてトレーニング前後で変化が生じ,各種パフォーマンスでも向上がみられた.また,腰椎前彎角の変化は仙骨傾斜角,歩行速度,歩行率の変化との間に相関が認められた.股関節屈曲筋力の増加は歩行速度,歩行率の変化との間に相関が認められた.【結語】腸腰筋トレーニングは股関節屈曲筋力を増大させ脊柱後彎の改善や身体機能・能力の向上に有効であり,股関節屈曲筋力の向上と腰椎の前彎方向への変化は歩行速度・歩行率の向上につながると考えられた.
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