連載 理学療法士が知っておきたいヘルスケア産業・4
簡易表面筋電計
鈴木 里砂
1
1文京学院大学保健医療技術学部理学療法学科
pp.450
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201873
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表面筋電計は,筋線維より生じる活動電位を計測するものである.本邦における筋電計の多くは,診断や研究目的で使用されていることが多く,一般の理学療法の臨床の場面や,予防理学療法において日常的に使用されることはほとんどない.
図aはスマートフォンを利用した簡易筋電計1)(制作費1,500円程度/台)である.この筋電計は,インターネットなどで入手した部品を組み立て,工学的知識の少ない者でも容易に製作できる.図bは学生が簡易筋電計を製作している場面である.多くの学生が,この装置を30分程度で完成できた.このような簡易筋電計が,角度計や聴診器のように身近なツールとなれば,運動指導時の共通言語として筋電位情報を利用でき,関節角度や血圧,脈拍などと同様,健康増進のための運動やスポーツ指導など,さまざまな場面で筋電位の“みえる化”がなされ,定量的な運動指導の実施に活用できると予測される.
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