連載 とびら
令和初めての年越しに
原 和彦
1
1埼玉県立大学
pp.253
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201823
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新年を迎える2020年,令和初めての年越しに徒然なる思いと理学療法士の未来に期待する所感を述べたい.遠くの友人から「娘が理学療法士になった」とのはがきが届いていた.理学療法士2世が多く活躍する時代になったと実感する.私が理学療法士となった1982年頃に2,400名程度であった協会会員数は現在12万人を超えており,一層の理学療法士の臨床力と質の保証が課題となる.2020年度からの新・理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則では93から101単位へと取得単位数が増え,新たに厚生労働省が指定する臨床実習指導者養成研修では各養成校と都道府県理学療法士会とが連携した運営が始まっている.また,卒後教育としても資格認定制度に関連した日本理学療法士協会の新たな生涯教育が2021年から始まる.
医療と介護の連携が課題の1つとなる地域包括ケアシステムでは地域に合った新たな支援のしくみづくりをめざして,すでに多くの機関や職能団体が行動を起こしている.身体運動と生活への適応力の獲得は自立した生活には欠かせない.理学療法支援にはプライマリから生活期,終末期までの幅広い守備範囲があり,多様な年齢,疾患,障害に基づく個別的ニーズが存在する.在宅や老人保健施設,介護・福祉の各事業所では多くの理学療法士が地域の最前線で活躍し始めている.卒前教育においても地域理学療法の実践について学ぶ科目を配置するようになった.
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