ベーチェット病の看護学生の日記・1
初めての入院
安藤 より子
1
1順天堂高等看護学校
pp.746-747
発行日 1976年7月1日
Published Date 1976/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917931
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12月15日
舌に潰瘍ができているため,流動食が続いている.夕べ夢を見た.寮の台所で食事の準備をしているところだった.我ながら,いやしいなと思った.こうして1日じゅう白い天井を見ていると,本当に大変なことになってしまったと頭の中をそればかりが行き来する.診断名が‘ベーチェット病の疑い’である.男性に多くて,失明する人がいると内科の教科書に書いてある.なんとミゼラブルな.他人事ではない.こうして,じっとベッドに横になっていると現実感がない.
洗面所へ行くと,入院患者が私をじろりと見て‘あなたそんなに若いのに,どうしたの’と話しかけてきた.‘ちょっと貧血が強くて……’と答えた.‘エッ,じゃあ流産したの’
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