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書評 —高橋仁美(著)—「《理学療法NAVI》この30題で呼吸理学療法に強くなる」
塩谷 隆信
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1秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻理学療法学講座
pp.868
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201313
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私と高橋仁美先生の出会いは秋田大学医学部保健学科(当時秋田大学医療技術短期大学部)に着任した20年前の1997年にさかのぼる.当時,日本では,呼吸リハビリテーションは始まったばかりでその認知度は低く,手探りでリハビリテーション・プログラム作成にともに取り組んだことが思い出される.仁美先生は,熱血漢であり,アイデアマンでもある.また,仁美先生の強烈な個性は万人がよく知るところであり,お酒が入るとその人格が180度の変身を遂げるのも彼が皆から慕われるゆえんである.
2005年に発表した「座ってできるCOPD体操」は彼のオリジナルである.自分の子供さんをモデルにして,簡単なステップ体操を考案したという.運動療法の普及が期待されていたが,冬期間は雪で外出がままならない秋田ではその実施は困難であった.椅子に座ったままかつDVDを見ながら簡単に楽しく行えるCOPD体操は,仁美先生の究極のアイデアであり,秋田県のみならず全国における呼吸リハビリテーションの実践,普及に大いに貢献した.その後,このCOPD体操は英語論文として掲載され,同氏の医学博士論文の一部にもなった.現在,こうしたCOPD体操や呼吸筋トレーニングを取り入れた低強度運動療法を中心とした在宅呼吸リハビリテーション・プログラムは全国展開しているのではないかと自負している.このような呼吸リハビリテーションの普及活動が評価され,同氏は秋田県医師会からの推薦を受けて第41回医療功労賞(県)を受賞している.
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