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編集後記
吉尾 雅春
pp.482
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201207
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今年の桜は多くの地域で1,2週間早く開花し,あっという間に散ってしまったようですが,皆様の地域ではいかがでしたか? 私は移動中に満開の桜を観るという日々でしたが,4月2日の当院の新人歓迎会で夜桜を楽しむことができました.毎年,先輩セラピストたちが主催して夜桜の下で歓迎会を開くのですが,新人オリエンテーション2日目という,これまでで最も早い時期の歓迎会になりました.やはり,自然の営みには逆らえませんし,その状況をみながら臨機応変に計画を実行していくことが大切です.これは臨床家であれば誰もが心掛けておかなければならないことでしょう.
さて,本号の特集では視床出血に焦点を絞ってみました.視床核は脳のシステムにおいて重要な位置を占め,相当な神経線維が直接的に入出力,かつ近傍を走行します.その構造上の特性から病態あるいは障害が多岐にわたる視床出血を単に視床出血として処理してはいけないのです.理学療法士はその結果起こる障害をみる専門家ですから,より細かい配慮が必要です.さらに視床出血後の経過は,その大きさや部位,さらには時間経過や環境などに左右されやすく,臨機応変に適切に対応していく臨床力を求められます.原因があって結果があるのです.その原因を知り,意味のある評価と有効な理学療法につなげるために,この特集は意義深いものになると期待しています.特に山口,中村,野田,加賀野井各氏には症例を提示して具体的に解説いただきましたので,読者の理解と臨床への展開を助けてくれるものと思います.
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