特集 視床出血と理学療法
背側核群を中心とした視床出血と理学療法
中村 学
1
Manabu Nakamura
1
1花はたリハビリテーション病院
キーワード:
背内側核
,
前頭前野ループ
,
辺縁系ループ
Keyword:
背内側核
,
前頭前野ループ
,
辺縁系ループ
pp.407-413
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201189
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
視床の支配動脈
視床の背側核群は傍正中動脈(脳底動脈の先端部もしくは共通幹から左右に分岐),視床結節動脈(後交通動脈の中央1/3から分岐),視床膝状体動脈(後大脳動脈の穿通枝)が灌流している(図1).傍正中動脈は(dorsal medial nucleus;DM核),髄板内核,束傍核に灌流し,傍正中動脈の閉塞により記憶障害や意識障害が生じる.また傍正中動脈は一側が両側の視床を支配している亜型が多数存在する1).
一側の傍正中動脈病変で両側の視床への血流が途絶えてしまうと,記憶障害や意識障害がより重度となる.視床結節動脈は前腹側核,外側腹側核(ventrolateral nucleus;VL核),DM核腹側に灌流し,性格変化や時間や場所の失見当識,健忘がみられる.左病巣では言語性と視覚性の前向性健忘が,右病巣では視覚性前向性健忘がみられる.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.