特集 理学療法と臓器連関
急性期理学療法と臓器連関
飯田 有輝
1
Yuki Iida
1
1JA愛知厚生連海南病院リハビリテーション科
キーワード:
敗血症
,
多臓器機能不全症候群
,
微小循環障害
,
persistent inflammation
,
immunosuppression and catabolism syndrome(PICS)
Keyword:
敗血症
,
多臓器機能不全症候群
,
微小循環障害
,
persistent inflammation
,
immunosuppression and catabolism syndrome(PICS)
pp.657-663
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200938
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はじめに
急性発症による疾患は少なからず炎症が基盤にあり,身体はその影響を受けてさまざまな反応を示す.炎症反応として代表的なものは,腫脹,発赤,発熱,疼痛であるが,全身性に炎症反応が及ぶと敗血症が生じ,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation:DIC),多臓器不全を引き起こす.このような炎症による全身反応は,従来,白血球数,脈拍,呼吸数,体温からなる全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)として知られていた.身体のさまざまな臓器は,サイトカインやホルモンなど神経内分泌伝達系を介して相互に連携があり,多臓器連関と呼ばれる.急性期の理学療法において多臓器連関を理解することは,リスク管理,目標,プログラム,禁忌事項を考慮するうえで有用である.
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