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書評 —伊藤恵康(監修)/齋藤正史・岩部昌平・宮本 梓(編集)—「リハビリテーションスタッフのための整形外科手術動画集(DVD付)—一歩進んだ術後リハのために」
村木 孝行
1
1東北大学病院リハビリテーション部
pp.865
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200662
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「手術ではしっかり損傷部を修復できて,これくらい動いていたから,ちゃんと関節は動くようになるだろう」という術者である整形外科医の期待と,「術後になぜこの部位にこのような痛みが出るのか? なぜ思うように動かせないのか?」という理学療法士の疑問や不安.臨床現場で日常的に交錯する想いである.これらの想いを達成させる,または解決する糸口の1つは,間違いなく術者と理学療法士が手術とその後のリハビリテーションに対する共通理解をもつことである.
手術の内容について詳しく学ぶことは現在の卒前教育では難しい.20年近く前になるが,筆者が臨床実習の際に最初に担当した整形外科手術症例は,変形性股関節症に対して骨切り術を行った症例であった.カルテや手術記録を見ても知らない用語ばかりであり,筋がどのように侵襲・縫着され,関節がどのように形成されたのか想像するのに苦労した.
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