特集2 これまでの10年とこれからの10年—理学療法の発展と課題と夢
メタボリックシンドロームと理学療法
久野 陽治
1
Yoji Kuno
1
1大阪市立大学医学部附属病院リハビリテーション部
キーワード:
メタボリックシンドローム
,
特定健診・特定保健指導
,
地域運動施設
Keyword:
メタボリックシンドローム
,
特定健診・特定保健指導
,
地域運動施設
pp.52-54
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200445
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メタボリックシンドロームとは
メタボリックシンドローム(metabolic syndrome:MS)とは,内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさり,動脈硬化性疾患を招きやすい病態である.2005年4月に日本内科学会をはじめとする関係8学会により日本人向けの診断基準がまとめられ,内臓脂肪の蓄積(ウエスト周囲径)に加え,高血圧,耐糖能異常,脂質代謝異常といった動脈硬化危険因子が2つ以上該当するとMSと診断される.
伊藤1)はMSの基盤である肥満やインスリン抵抗性の上流に生活習慣の乱れがあるとし,食生活の偏りや運動不足という駒が1つ倒れることにより,ドミノ倒しのごとく内臓肥満,脂質代謝異常などが連鎖して発症し,高血圧,耐糖能異常などが引き起こされる「メタボリックドミノ」という概念を提唱している.これは,MSを説明するうえで広く用いられる考え方となっており,厚生労働省の生活習慣病の進行のイメージにおいてもわかりやすく表現されている(図)2).
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