臨床実習サブノート 臨床実習で患者さんに向き合う準備・4
上腕骨頸部骨折
地神 裕史
1
Hirofumi Jigami
1
1東京工科大学医療保健学部理学療法学科
pp.751-758
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200299
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はじめに
超高齢社会を迎えている本邦において,高齢者の転倒による骨折は後を絶たず社会的な問題となっている.高齢者の骨折は運動機能の低下のみならず,身体活動や精神活動の低下を引き起こし,ひいてはQOLや認知機能の低下にまで影響する.高齢者に好発する骨折には上肢・下肢・体幹問わずさまざまな種類があるが,いずれも骨の脆弱性に起因しているものが多く,若年者と比較して骨癒合が得られにくいことが特徴として挙げられる.そのため,徹底した安静管理のもとで理学療法を実施しなければならず,適切に情報収集しながら愛護的にかかわるなかでも最大限の効果をあげることが求められる.
本稿では,臨床実習でも扱う機会が増えている上腕骨頸部骨折に対する理学療法をどのように実施していくのか,また実習で担当する際の注意点について整理する.
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