特集 認知行動療法
がん医療における認知行動療法
上田 淳子
1
Junko Ueda
1
1国立がん研究センター東病院臨床開発センター精神腫瘍学開発分野
キーワード:
がん
,
認知行動療法
,
多職種チーム医療
Keyword:
がん
,
認知行動療法
,
多職種チーム医療
pp.1127-1133
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200065
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
がん患者・サバイバーに対する認知行動療法の場合には,広義の認知行動療法(ストレス・マネジメント技法やリラクセーション技法といったさまざまな認知・行動技法を含む認知行動療法的アプローチ)とBeck, A.T.の古典的行動理論に基づいた狭義の認知行動療法(認知再構成と行動活性の双方が含まれ,一般的には6セッション以上実施される)に区別される.広義・狭義ともに認知行動療法は,がん患者が抱えるさまざまな身体・精神症状(例えば,倦怠感,睡眠障害,疼痛,食欲低下,嘔気・嘔吐,呼吸困難・息切れ,不安,抑うつ)に対して有効であることが報告されている.
本稿では,がん患者の身体・精神症状に対する広義・狭義の認知行動療法の効果についてレビューし,実践例を提示しながら,がん医療における認知行動療法の実際を紹介する.さらに,集学的治療(多職種チーム医療)が求められるがん医療において認知行動療法が果たす役割や課題についても論じる.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.