書評
―山嵜 勉(著)―「理学療法士列伝EBMの確立に向けて―形態構築アプローチの理論と技術」
斉藤 秀之
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1医療法人社団筑波記念会リハビリテーション事業統括
pp.659
発行日 2014年7月15日
Published Date 2014/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106702
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本書は「理学療法士列伝」シリーズの第3作目である.シリーズ1冊目を目にしたとき,幼いときに「プロレススーパースター列伝」という漫画を読んでいたことを思い出し,この「理学療法士版」を手にした衝撃は今でも忘れられない.
わが国の理学療法士が誕生してから50年を迎えようとしているなか,本シリーズに山嵜勉氏が満を持しての登場である.氏は「マッサージ師として7年,理学療法士として48年間,常に明日を見つめて生き,(中略)日本における理学療法誕生の時代に居合わせた者として,理学療法士の生き様を語ることでこれからの長い年月,理学療法士として携わる方々の参考になればと筆を取りました」と本書執筆の動機を記されている.氏は11万人の理学療法士のなかでも臨床の最前線に立った,理学療法士の半世紀を知る理学療法士の代表格である.今後2025,2050,2100年とわが国のあり方が大きく変革する時期に理学療法士として何をすべきかを考えるにはふさわしいタイムリーな出版である.まさに「故きを温ねて新しきを知る,以て師と為すべし」を可視化された,今後の理学療法士の生き様のヒントとなり得る絶妙の良書である.
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