書評
―坂井建雄(著)―「解剖実習カラーテキスト」
石田 肇
1
1琉球大学大学院医学研究科人体解剖学講座
pp.907
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106443
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山形大学の学生時代に,浦良治先生の『人体解剖学実習』(南江堂)を用いて勉強させていただいたことを,今も鮮明に覚えている.ラテン語の世界に触れた最初の感動があった.長崎大学に奉職した折には,浦先生の実習書を使った.その後,札幌医科大学では,大学独自の実習書で指導に当たった.1998年に琉球大学に赴任してからは,定番である寺田春水先生・藤田恒夫先生の『解剖実習の手びき』(南山堂)を用いてきた.それぞれに素晴らしい実習書であった.最近では,2013年に,『Gray's Clinical Photographic Dissector of the Human Body』が出版されたので,これも取り寄せてみた.
しかしこれらの実習書を使う医学生から,「楔形に切り取る」の「楔形」がわからない,「あばた状に」の「あばた」がわからないといった声を聞くことが多くなった.他の大学医学部の教授に聞いても,同じような状況で,いろいろ模索しておられるようだ.
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