臨床実習サブノート 基本動作の評価からプログラムを立案する・11
切断者の基本動作の評価からプログラムを立案する―大腿切断者を例に
石垣 栄司
1
Eiji Ishigaki
1
1臨床福祉専門学校理学療法学科
pp.160-166
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106205
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はじめに
義足装着適応となる下肢切断者のリハビリテーションにおいて,理学療法士は義足非装着時の基本動作やADL(activities of daily living:日常生活動作),義足装着時の基本動作やADLを評価し,その能力を向上させるプログラムを立案しなければならない.われわれ理学療法士は,基本動作における評価やプログラム立案を行う際には,以下の3点について十分理解しておく必要がある.
1)義足非装着時の起き上がりでは,切断した下肢の重量がないことで不安定になりやすく,上肢や体幹に頼るところが多くなること.
2)立ち上がりでは,1)と同様不安定になりやすく,非切断下肢や上肢に頼りがちになること.
3)義足は筋や神経が存在しない機械であるので,十分な練習なしには健常者の下肢のように思いどおりにはコントロールできないこと.
本稿では大腿切断者を例に,起き上がり,立ち上がり(坐り),歩行の特徴と,これらの評価から運動療法や動作指導のプログラムについて解説する.
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