理学療法の現場から
「しま」にすむ人々とともに
田中 努
1
1長崎県離島医療圏組合奈留病院
pp.966-967
発行日 2002年12月15日
Published Date 2002/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106180
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はじめに~下五島はどんなところ
長崎から西へ120キロのところにある五島列島最大の島,福江島.そこからさらに船で1時間のところにある奈留島に私の勤務する病院があります.下五島地区は奈留島から以南の福江島,久賀島,そしてその周りに点在する島々から構成されています.下五島地区での高齢人口は約1万3千人と,全体の25.6%を占めており,高齢化率は日本のトップクラスへ向け快走中です.
個人的に,海に囲まれた離島の最も特徴的なことを紹介すると,ちょっとした外出の際,在宅で過ごされている患者さんと会う機会が多く,生活の一部を直接見ることができるということでしょう.提供してきた理学療法が役に立っているかどうか,初めて自己評価が問われるときでもあります.われわれが行っている理学療法は病院で満足されるだけでは意味がなく,その人の生活に生きて初めて意味をなすものであり,それを自分の目で見ることができるということほど素晴らしいことはないと思います.反面,ちょっと羽目を外して騒いだときなど翌朝には病院中に伝わっているという恥ずかしいこともしばしばありますが….
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