講座 臨床実習指導の創意工夫・3
理学療法のエキスパートを育てる―臨床実習をめぐる私の工夫
当院における実習指導の実際―学生が残してくれた課題から/少人数理学療法部門における臨床実習指導の工夫
金井 昭博
1
,
田中 聡
2
,
山田 英司
2
Kanai Akihiro
1
,
Tanaka Satoshi
2
1沼田脳神経外科循環器科病院リハビリテーション科
2香川医科大学医学部附属病院理学療法部
pp.181-188
発行日 2002年3月15日
Published Date 2002/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106001
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1.はじめに
理学療法士養成教育は,学校での学内教育と,臨床実習施設における臨床教育との連携によって達成されることは言うまでもない.そして臨床実習の位置づけが重要であることは,理学療法士であれば誰もが疑う余地がないことである.また,臨床実習は学生にとっても理学療法士になるためには「避けては通れない通過点」としてだけではなく,実習指導者との出会いや指導方法,担当症例を通じて学んだこと,問題解決のために努力したことなど,理学療法士としての将来に大きな影響を持つ.
実際に筆者も臨床実習において,理想とする理学療法観や理学療法士像を描いた.そして学生を指導する立場になった現在も,その体験で得たものは大きく影響している.
近年,理学療法士養成教育においては,養成校の急増や指定規則の改定による臨床実習時間の減少など様々な問題が生じている.特に臨床実習では,実習形態や内容,臨床実習指導が果たす役割が議論されている.いずれにせよ,学生が少しでも充実感を味わえる臨床実習にすることが実習指導者の役割であると考えている.そこで本稿では,当院での臨床実習指導の実際について紹介し,実習指導者の立場から私論を述べる.
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