とびら
「PTはプロのサディスト」か
八坂 勇司
1
1田川市立病院リハビリテーション科
pp.145
発行日 2002年3月15日
Published Date 2002/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105993
- 有料閲覧
- 文献概要
数年前に読んだ宮部みゆきの推理小説「火車」のなかで,主人公が理学療法士を指して「あいつらは,プロのサディストだ」と愚痴をいう場面があります.主人公は刑事で,犯人逮捕時に損傷した膝を手術し,術後外来で女性理学療法士からROMexを受けていて,あまりの激痛に耐えかねたのか,帰宅してから出た言葉でした.10年くらい前の作品と推測するのですが,世間一般の風評はそういうものかと,やや残念な気もします.
が,最近でも,理学療法を受けにくる患者のなかには,誰に教えられたのか,リハビリは痛い,疲れると思い込んでいる方がおられます.確かに昔は,かなり暴力的な?治療が行われていたとも聞きます.にもかかわらず,治療費を頂き,苦痛を与えても帰り際には礼をいわれる.感謝さえされる.こんな良い商売はない.やはり「プロのサーディスト」か.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.