書評
―村上重紀(著)―「老人ケアかるた―ケアのなかの言葉」遊び心豊かにケアの本質を描く
鎌田 實
1
1諏訪中央病院
pp.917
発行日 2000年12月15日
Published Date 2000/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105692
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ぼくが,村上重紀の名前を始めて目にしたのは10年前のことだ.彼は三好春樹氏と稲川利光氏といっしょに「遊びリテーション」(医学書院刊,1989年)を引っ下げてケアのオモテ舞台に登場してきた.センセーショナルだった.彼らの視点の若々しさに脱帽したのを覚えている.
その名著の「あとがき」で村上重紀は「遊び心」とは,何かに恋すること,と語っている.地域包括ケアシステムの完成された保健・医療・福祉・を実践する御調町で,保健福祉総合施設付属リハビリテーションセンター次長として活躍しながら,したたかに「遊び心」を持ちつづけていた.村上重紀は老人ケアに恋をしているのかも知れない.そんな気がする.
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