講座 臨床にいかす動作分析・5
神経系障害における動作分析
松田 淳子
1
,
吉尾 雅春
2
Matsuda Junko
1
1協和会病院理学療法科
2札幌医科大学保健医療学部理学療法科
pp.353-360
発行日 2000年5月15日
Published Date 2000/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105550
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はじめに
中枢神経疾患をはじめとする神経系疾患による障害は,随意運動障害,姿勢反応障害,異常筋緊張,失調症,感覚障害,高次神経機能障害など,多彩な障害を呈する.加えて,個々の症例の生活習慣や年齢,発症からの期間により,体力や合併症状も異なる.神経系障害の範疇だけには止まらないこれらの障害があいまって,姿勢調節,動作遂行の障害を呈する神経系疾患症例の評価は,定量的な評価だけでは理学療法に結びつけていく情報は得にくく,動作分析が欠かせない評価項目になっている.
しかし,多彩な障害像を呈するだけに,動作分析は個々の理学療法士の知識,考え方,価値観あるいは環境などに影響されやすい.実施にあたって,できる限り客観的な事実に基づいた偏りのない評価をしたい.
ここでは動作分析を進めるための手続きと課題について述べる.
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