症例報告
老人保健施設での車椅子操作指導に対する行動分析的アプローチの適用
小林 和彦
1
,
高橋 憲一
1
,
辻下 守弘
2
,
清水 ミシェルアイズマン
2
,
鶴見 隆正
2
Kobayashi Kazuhiko
1
1筑波技術短期大学理学療法学科
2広島県立保健福祉短期大学理学療法学科
pp.135-138
発行日 2000年2月15日
Published Date 2000/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105498
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はじめに
老人保健施設はいうまでもなく高齢者の家庭内自立を援助することが目的1)であり,そのためにはADLなどの指導場面で獲得された能力が個人の生活環境下で自発的に生起されなくてはならない.しかしながら,実際には既得の運動機能が有効に活かされていない場合も多い.その理由の1つとして,Burgioら2)は施設スタッフの施設入所者に対する“関わり方”の問題を指摘しているが,この種の問題に対する理学療法士による取り組みの例は少ない.
そこで今回我々は,施設スタッフの不適切な関わり方により車椅子の自発的な操作行動が減少し,施設内生活に活かされていないと思われる高齢障害者の車椅子操作指導にオペラント条件づけを中心概念とする行動分析的アプローチを適用し,対象者の行動変容を試みたので報告する.
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