特集 ケアマネジメント
地域におけるケアマネジメント―理学療法士の自己管理能力の視点から
備酒 伸彦
1
,
眞藤 英恵
1
Bishu Nobuhiko
1
1但馬長寿の郷管理部地域ケア・研修課
pp.341-345
発行日 1998年5月15日
Published Date 1998/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105067
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1.はじめに
「ケアマネジメント」は対象者や家族のためにあるのであって,サービス供給者のためにあるのではない.至極当然のことであるが,様々な社会資源(人材,資金,施設,制度など)が複雑に絡み合って進められる地域ケアでは,時として忘れられかねない点である.
地域ケアの現場で働く理学療法士が,この点をないがしろにして,聞きかじりの法律や制度論のなかで右往左往する姿は見たくない.そこで本論では,本号特集により法・制度については一定の理解が得られているものとして,これらとは一線を画して,現場で働く理学療法士の立場から,理学療法士自身がもつべき「マネジメント能力(自己管理能力)」について考えてみたい.
したがって本論では,介護保険のなかで制度として実施されるケアマネジメントとは離れて,初めに生活支援を目的とした地域ケアの意味について,「ADLと生活」の対比を通して考えたうえで,①「自己決定と客観性」という観点から,対象者個々に対するときのマネジメント能力,②「チームアプローチ」という観点から,サービスを供給するチームに属するときのマネジメント能力について述べ,最後に地域ケアに関連する機関や他職種との連携について触れることにする.
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